季節は秋へと移り変わり、とても過ごしやすい季節となりましたね。子どもたちは園庭でどんぐり拾いや、大好きな虫探しを行う中でコオロギを見つけ、秋の自然に触れる楽しさを味わっております。そんな子どもたちの姿を見て、先日虫を捕まえることについて子どもたちと話し合いました。虫にも命があり、虫を捕まえるということは捕まえた後虫かごに入れて終わりではなく、そこから大切にお世話をして育てる責任があるということについてです。

虫を捕まえることでその虫の生きている場所や生態を発見し、よく観察することはとても良い経験だと思います。しかし、捕まえた虫をそのままからの虫かごに入れており、死んでしまったら中身を捨ててまた次の虫を捕まえるということを繰り返していては、「虫の気持ちを考えた時にどうかな?」ということを子どもたちと考えました。

子どもたちは虫の気持ちになって考え、「家族と離れちゃったかもしれない」「食べ物がないと死んでしまう」などとたくさんの意見があがりました。そこで、虫を捕まえた後きちんと思いやりを持って命を大切に育てるためにどのようにすると良いのかを考え、『生きられる環境を作る』『次の日には逃がしてあげる』ということが決まり事としてあがりました。

そんなある日、園庭に飛んでいるちょうちょを捕まえました。いつものように虫かごに入れ、捕まえたお友だちはとても満足そうでした。捕まえたちょうちょに興味を持って来たある一人の子が、「なんか狭そうだね」と言って見つめていました。その後どのようにするのか見守っていたところ、「ちょうちょはお空を飛びたそうだよ」「羽が壊れちゃうよ」という声が上がりました。すると「じゃあお部屋に戻るときには逃がしてあげよう」と言って外遊びが終わると逃がしてあげる姿が見られました。

最初にみんなで話し合った話し合いの中では、ちょうちょなどの空を飛ぶ生き物についてはルールがあがっていませんでしたが、決まりがないから関係ない、決まりがないからわからないではなく、自然な形で向き合うべき課題が生まれ、そこから友だちのやり取りだけで方法を見つける姿と、早速生き物の立場に立って気持ちを考えて命を大切にした優しい姿に感動しました。

 

すぐにこちらからルールを提示することは簡単ですが、それでは子どもたちの中にきちんとなぜそのようにするのかの理由が落とし込まれておらず意味がありません。じっくり子どもたちと一緒に方法を話し合って考えることで、子どもたちも様々な課題が生まれた時にも考えて新たな方法を自分たちで見つけることができたのだと思います。一つ一つのことに対して気持ちを置き換え、何事にも思いやりを持って向き合えるそんな子どもたちの姿に成長を感じるとともに心が温かくなりました。

(年長組チーム担任 福田)