【こあら組】
日々の生活の中で、いろいろな経験を少しずつ重ねてきました。クレヨンで描いた感触、新聞紙粘土のヌルヌルした感じ、スティックのりのペタペタした感じ…その一つひとつがおそらく初めての経験です。その小さな挑戦に大きな拍手を送りたいと思います。
「夢の畑」では、新聞紙粘土を形作ったり、色を塗るところも大人といっしょに行ないました。色を塗るところでも最初はいっしょに塗り始めましたが、途中からは自分の好きな色を選んで塗りました。すると作品がとても芸術的になっていくではないですか。私たちはその素晴らしさにうっとりしてしてしまいました。
9月からはアートプログラムが始まりました。全員いっしょには出来ませんので順番となります。自分の番が来るとニコニコで向かいます。そのようなやる気いっぱいのこあら組のこどもたちの作品は「ここに貼りたい」「こうしたい」と言う気持ちがしっかりと現れていましたね。
こあら組では、そのような”こうしたい””これがいい”と言う気持ちを大切に関わりながら制作を行なってまいりました。それがプロジェクト保育のはじめの一歩と感じています。
新渡戸祭当日はお家の方に抱っこされて嬉しそうに作品を見ていましたね。家族の方と同じ物、作品を見る中でより家族の絆が強くなっていったのではないかと思います。
これからも、いろいろな経験の中で、自分の思いを安心して表して自信につながると良いですね。お家でもこどもたちの頑張りをぜひ大いに褒めてあげて欲しいと思います。
新渡戸祭当日はこどもたちの作品を見て、楽しんでくださっている様子を見て私たちもとても嬉しく思いました。ありがとうございました。
(こあら組担任 田中 猿渡)
【ぱんだ組】
ぱんだ組に入園して約半年間で作ってきた作品の数々。作り終わるたびに「ママに早く見せたいな」「おうちに持って帰れる?」と保護者の皆さんのお顔を思い浮かべて、新渡戸祭当日を楽しみにしていました。
ぱんだ組のプロジェクト保育
普段から「選ぶ」「自分で決める」ということを日々の保育の中で大切にしてきたぱんだ組の子どもたち。月の製作ではテーマやどんなものを作るのかは保育者が今ある興味から選んでいき、子どもたちがどの色にしようかな?どこに貼ろうかな?どんな風に描こうかな?と子どもたちなりに楽しみ考えています。たくさんの製作体験を通してきたこともあり、今回の新渡戸祭では2歳児なりにイメージを膨らませて夢の畑ではどんなものがあるのかな?と自分たちで「考えて」「選んで」作り上げることにチャレンジしました。
作品と共にメイキング動画を通して作っている実際の様子も見ていただくことが出来、園の普段の様子も見ていただけたのではないでしょうか。大きな段ボールをボディペイントで色塗りした様子は、ダイナミックに色塗りを楽しむ子もいれば、慎重に指一本で塗り進める子がいたり、と同じ活動でも塗り方や楽しみ方に個性が出ていましたね。
子ども園でだからこそ出来る、体全身を使った表現活動も楽しんでいます。
そしてもう一つのプロジェクト保育では「梅プロジェクト」がありました。梅の実の観察から梅ジュースになることを知り、作って飲んでみたい。自分たちで作ったものを周りの大好きな人とも共有したいなどの気持ちの芽生えもあり梅ジュース屋さんにとつながっていきました。その後おままごとではジュースのメニュー表を作っておいておくとそこからも「梅ジュースおいしかったよね」と話し合ったり、ジュースやさんごっこが始まったりと遊びにもつながっていることを感じています。
ワークショップも楽しんで参加してくれ、「バック作ったよ!」「万華鏡キラキラしてるの見て!」と当日も出来上がったものを嬉しそうに見せてくれました。ご家族でのほほえましい会話や雰囲気に、私たちも心があたたかくなるのを感じました。
新渡戸祭の思い出が詰まった素敵なお土産が出来た様子でこちらも嬉しかったです。
お忙しい中ご家族でご参加いただき本当にありがとうございました。
これからも興味や関心が広がり、様々な体験を通して豊かな感性を育む保育をしてまいりたいと思います。
(ぱんだ組担任:月岡、松田、長田)
【年少組】
待ちに待った新渡戸祭!
年少組はこれまで行ってきた様々なプロジェクト保育の内から「ギザギザたまごから広がる世界」と「描くことを入れた素材探求」の中の「絵の具と仲良くなる」という2つのプロジェクトを展示いたしました。
「絵の具と仲良くなる」では、絵の具の感触や色の混ざりあう様子をじっくり味わってもらうため、フィンガーペイントでの絵の具遊びを行いました。この作品は、絵の具の探求をメインとして数多くの色を使ったため、出来上がりを「黒」に使い状態と考えており、当初展示する予定ではありませんでした。しかし、実際に行ってみると、驚いたことに、子どもたちがそれぞれ色のバランスなどを考え自分の今作った色がどこのあると「かっこいい」か、より「すてき」かを考え、ペイントしていく姿がありました。保育者は何もしていません。まさに、生まれながらのアーティスト!子ども自身の持つ感性に大変感動いたしました。
出来上がった作品のすばらしさに、急遽展示を決めた作品です。
「ギザギザたまごから広がる世界」では、お友だちの描いた「ギザギザたまご」からイメージを広げ、「どうしてギザギザなの」か、それぞれが考えるところから始めました。子どもたちからたくさんの意見か出され、それを基に「ギザギザたまごから何が生まれる」かを考え、描いていきました。さらに広げて「ギザギザたまごが生まれたのはどんなところかな?」と問いかけ、子どもたちのイメージが重なった「もり」を、絵の具遊びをしつつ表現しました。また「この森には他にどんな生き物が住んでいるかな?」と問いかけ、今度は「たまごから生まれた生き物」と「同じ森にすむ仲間たち」のどちらかを「選んで」、粘土を使い立体で表現し「素材探求」で使用したペンを使い、色塗りをしました。
どの作品も柔軟な感性の赴くままに表現された、すばらしい作品となりました。はじめに描いた「たまごから生まれる生き物」では、雨や嵐が生まれると考え表現した子もおり、まるで天地創造の神話のようでした。また、卵で生まれるいきものがどんなものかわからないと質問してきたお友だちもおいり、クラスのみんなで絵本や図鑑を見て、卵生生物を調べました。こういったところから、次の「学び」や「新しい発見」が生まれていきます。
担任からは問いかけと、共感のみで指示などは一切行わず、子どもたちから発せられた物語を書き留めていきました。大切にしたのは、子どもたちの意見をそのまま受け止め、より広げられるような「提案」をしつつ、子どもたち自身に「選んで」もらうことと、子どもからの疑問をそのままにせず、次の学びにつなげることです。
テーマである「選ぶ」について、年少組は特にアートの視点からの展開を行ったため、展示も「作品展」のように作品をじっくり味わってもらえるような設えにいたしました。
テーマの変わっていく「年中」「年長」との展示方の違いなども楽しめて頂けていたら幸いです。
これからも、子どもたちの感性を伸ばしていけるようなプロジェクトを展開していきます。
明日も楽しいことがいっぱい待っていますよ。
(年少組チーム担任 武藤・青木・佐藤・大塚)
【年中組】
今年度の新渡戸では、今までのプロジェクト保育で行ってきたことをメインに展示をいたしました。
年中組になり初めて「話し合う」ことを行いました。
子どもたちと毎日過ごす中で、子どもたちの好きなことを取り上げようと試み、それが〝虫探し・お花、葉っぱ集め″でした。
4月から毎日、虫を探しなど好きなことにとても一生懸命に没頭をする年中組の子どもたちをみて、このプロジェクト保育が始まりました。
最初は、「虫がたくさん集まるにはどうしたらいいのか?」から始まりみんなで意見を出してみました。
そこからグループに分かれて話し合いをする中で
お友だち同士意見がぶつかること、
上手くまとまらないことなどもあり、
自分の意見だけを伝えるのではなく、相手の意見も聞くこと、一つにまとめることの難しさを感じておりました。
直ぐに話し合いが終えるグループや、何日も時間をかけているグループなど、それぞれのグループによって違い、グループの良さや個性が出ておりました。
最終的には、各グループで植えたいものが決まりいよいよ、たね植えです。
とても小さな種を、落とさないように、落とさないようにと慎重に土に植えている姿も見られました。
大きくなるように水を上げたたりと大好きな虫が集まってくるように一生懸命に育てております。
まだまだ、植えて日が浅いため、これからも大切に育てていきたいと思います。
また、なかなか見ることの出来ない、日々の子どもたちのプロジェクト保育に取り組んでいる姿を写真をや動画を通してご覧いただけたのではないでしょうか。
話し合いの姿や実際に植えているときの様子、また、大きな木を作った際の絵の具遊びでは、動画を見ていただきました。絵の具に触れた際の感触などその時にしか感じられない言葉も多く出てきておりました。
実際の言葉を見て、感じていただき昨年の年少組に比べると色んな言葉で表現をしておりました。
今回は、作品もぜひ見ていただきたいこと、プロジェクトに行くまでや行程もぜひ保護者の方にも知っていただきたく大きく展示をさせていただきました。
新渡戸祭では、お家の方と一緒に説明をしたり、写真で自分の姿やお友だちを探す姿も見られ年中組のお友だち関係が深まってきたことの成長も感じられる場面でありました。
今回のお見せしたプロジェクト保育は、これからも引き続き子どもたちと共に進め、更に深めてまいりたいと思います。
今後の行事などもプロジェクト保育でのかたちで進め、「話し合う」ことの大切さや楽しさをこれからも感じてまいりたいと思います。そして、今後の様々なプロジェクト保育でもぶつかりや葛藤があるかと思います。こういった経験を通し、子どもたちの成長を感じられたらと思います。
保護者の皆様におかれましては、お休みのところご参加いただきありがとうございました。
(年中組チーム担任:小山・杉山・髙山)
【年長組】
今回の新渡戸祭では、日頃行っているプロジェクト保育を皆様に伝えることをテーマとした展示を行いました。年長組では、1学期に子どもたちが1番心に残っているイベントとして多く挙がった“年長イベント”を題材としました。まずは、全員で自由に意見を出し合い、そこから様々な条件を付けて出来るか否かを話し合って5つのチームに絞りました。
年長イベント当日の楽しかったエピソードは子どもたちがお家の方に帰ってからたくさん話していたのではないでしょうか。しかし、そのたくさんの楽しい思い出が経験できたのも子どもたちがチームで協力し、意見やアイディアを出し合い、時には問題にも直面しながらも、その都度話し合いを繰り返してきた長期的な完成までの過程が何よりも重要であり、子どもたちにとって大きな経験と成長に繋がったことと感じます。
キャンプチームは、「テントの中でみんなでカレーを食べることが出来るようにテーブルを作ろうよ!」「テーブルがあるなら椅子も必要だね!」と1つの発言からアイディアがたくさん広がり、テーブルを作っている時には「キャンプではゴミが出るから、ゴミ箱も作ろうよ!」と自分たちで作っている過程から更に新しい発想が展開されていました。
温泉・プールチームは、キャンプチームが「キャンプ場の近くに川が合って魚釣りもしたよ!」と出てきた意見を聞いて「じゃあ、僕たちのプールで魚を作って魚釣りが出来そうだよ!」と他のチームにも目を向け、自分たちで何が出来るのかを考えることができました。また、温泉チームは砂場に穴を掘り水を溜めるだけでは水が土の中に吸い込まれ、溜まらないことを普段の砂場遊びの経験から気付きました。そこで「ブルーシートを上からかぶせたら水が溜まるんじゃないかな?」と子どもたちなりにいろいろなことを考え、問題解決策を見つけました。
もぐらたたきチームは、「もぐらが穴の中から飛び出すようにもぐらにバネをつけよう!」と最初の話し合いであがりましたが、製作を進めていくうちに「どのようにバネを付けたら良いのか?」と子どもたちで考え始めました。そこで保育者から「もぐらを穴の中から出す方法は他にないかな?」という問いかけから様々な方法を考え、「僕たちが下からもぐらを出せばいろいろなところから出てきて、楽しそう!」という発言に対し「いいね!」「そうしよう!」とチームの中で知恵を出し合いながら熱い話し合いが繰り広げられていました。
ジェットコースターチームは、「1人で乗るのもいいけど、2人で乗ったら楽しそう!」「ジェットコースターはたくさんの人が一緒に乗るんだよ!」と話し合いを広げ、1人用の乗り物と2人用の乗り物を作り、その際に段ボールの大きさをよく見て考えながら実際に2人で乗ってみる姿がありました。
また、「平の道だけを走るだけではつまらない」「ジェットコースターは上がったり下がったりするよ!」とジェットコースターに乗ったことがある子を中心に話し合い、どのようにすれば上がったり下がったりすることができるのか、子ども園の中に使えそうなものはないのか先生と探し回りながら考えました。すると「いつもサーキットで使っている滑り台がいいかも!」と発見!そこで、実際にサーキットで使用している滑り台で実験をしました。そこでは「あんまり滑らないね」「途中で止まっちゃうよ」と実際に自分たちが体験することでどのようにすれば滑りが良くなるのかを考え、新聞紙を滑り台と、ジェットコースターの底面につけると滑るのではないか?を子どもたちと一緒に考えました。実験をすることで、より良いものが出来、新たな発見があることを子どもたちは今回の経験を通して学びに繋がったように感じます。
おばけ屋敷チームは、部屋の中に道を作るために壁を作ることにしました。その中で、「段ボールで壁を作ろうよ!」「段ボールを床からどのように立てる?立つかな?」という課題から「新聞紙を壁にするのはどう?天井から吊るせば壁になるよ!」と、みんなが真剣に実施するための方法を考え、実際におばけ屋敷に行って体験したことを元に、自分たちが描く理想のおばけ屋敷にしようと、意見を出し合いました。また、壁だけではなく新聞紙でおばけを作ったり、カラービニールで衣装を作り、自分たちがおばけになりきってみんなを驚かして楽しんでいました。
2学期に入ってから新渡戸祭で年長イベントのことを展示し、たくさんのお客様に見てもらうことを伝えると「頑張って準備したことや楽しかったことがちゃんと伝わるかな?」と言った子がいました。そこで年長イベントで頑張ったことや伝えたいことを各チームで話し合い、子どもたちの意見を保育者がまとめたり、実際に子どもたちが楽しかったことを書いて、展示も子どもたちと作り上げてきました。
5月に設計図を書き始めてから設計図を元にチーム一丸となって試行錯誤を繰り返し、当日までコツコツと作り上げてきました。自分たちで1から考えて作り上げてきたからこそ、子どもたちの楽しかったという充実感と、大きな達成感を得た様子が見られたのだと思います。自分たちで1からやりたいことを考え、問題に直面した際にはすぐに「先生!」というのではなく自然と仲間との話し合いを行い、目標に向かって協力してきたからこそ、準備段階では充実感と当日には達成感、そして何よりも1番楽しかったという思いを子どもたちは体験したように感じます。
展示が完成し、改めて真剣な眼差しととても楽しそうな笑顔いっぱいの写真から、自分たちのやりたいことを自分たちで1から考えて作り上げていく過程があるからこそ、夢中になって思いきり楽しむ姿へと繋がったのではないかと実感します。
完成までの過程の中で、自分たちで考える力や、仲間との団結力の深まりに感動するとともに大きな成長を感じました。私たち担任もプロジェクト保育を通して、子どもたちから多くのことを学び、一緒に考え作り上げていくことを楽しみ、子どもと共に達成感を味わい大きな自信に繋がっていきます。これからも活動だけではなく園生活の中でも一つ一つの経験を積み、成長に繋がる保育をしていきたいと思います。
(年長組チーム担任:福田・三並・相澤)
今回の新渡戸祭では、プロジェクト保育を体験していただくために『選ぶ』ことをメインとしたワークショップを多数開催いたしました。プロジェクト保育では年齢層も幅広く行うことができ、取り入れやすく、何より子どもたちにとって楽しみながら様々なことに興味関心を広げていくことに繋がっていきます。是非ご家庭でも『選ぶ』『話し合う』『作り上げる』を取り入れてみてください♪