年長組に進級した子どもたちは、少しずつ子ども園の中で最高学年となり、一番大きなお兄さんお姉さんになったという自覚を少しずつ持ち始めてきているところです。

その中で、毎日お当番活動があります。お当番活動や、日々の生活の中で思いやりを持って相手の気持ちを理解し、寄り添う優しさを子どもたちの姿から感じる場面がたくさん見られていることから、今回はその様子についてご紹介いたします。

 

まずは、自分たちにできるお当番を話し合い、毎日のお当番が誰かわかるようにお当番表を作りました。

朝のお当番活動での『給食の人数チェック』の様子です。この活動は、各クラスに聞きに行き、給食室の先生に食数を伝えるという内容です。「失礼します。お給食の紙ください!」と言って人数の書いた紙を回収します。4月は毎日先生がついて各クラスを回る練習をしました。

他クラスにお邪魔するときに黙って入ったら中にいる人はどう思うかな?「突然入ってきたらびっくりしちゃう!」ではどうしたらいいかな?このように問いかけることで子どもたちは、「失礼します」「失礼しました」を言う『意味』を考えることにつながりました。

紙をもらった時、人に何かしていただいた時にはどうするのかな?子どもたちは「ありがとうございます」を伝えることの大切さを改めて意識することにつながりました。

 

年長組ではうさぎのみみちゃんのお世話も行います。動物のお世話をすることで命の大切さに気付き、言葉を発しないからこそ、より気持ちを考えて寄り添うことにつながります。子どもたちは、みみちゃんに話しかけながらピカピカの気持ちの良いお部屋にしてあげるんだと、毎日のお掃除に励んでおります。

決まったことも、なぜ行うのか一つ一つ理由を考えることで、言われなくても自身で行動に移すことができ、今では担任がついていなくとも自分たちだけでお当番活動ができています。お当番活動を通して、他学年のお友だちや先生とのふれあいが増え、そこからも経験と学びが得られとても良い活動となっています。

 

その他にも、日頃の活動の中でも相手のことを考えて思いやりを持った姿が見られました。

ある日の外遊びの時間です。年長組さんが外遊びに出るとちょうど同じタイミングでこあら組さんもお外に遊びに来ました。こあら組さんは砂場に来ましたが、砂場のシートが敷いたままです。すると、「あ!こあら組さん来たよ!早くシートを上げないと遊べないよ!」と言って自分たちだけで協力してシートを上げる姿が見られました。もちろん、シートを畳むときには、「○○くんが端を持って!せーので一緒に半分に折るよ!」などと声を掛け合って協力できていました。

今回は、同じ学年の友だちと協力する姿よりも、違う学年との友だちが来た時、そのお友だちが置かれている状況と解決するためにはどのようにしたらよいのか、何か助けてあげられないのかということを考えた結果の行動に新たな大きな成長を見ていて感じました。

 

カップに土を入れてプリンを作り並べていると、こあら組さんがスコップで崩していきました。すると、「大丈夫、大丈夫!崩すことが楽しいのかな!」と笑顔で見守り、さらにプリンを作ってあげていました。帽子が脱げていると、「暑いからかぶった方がいいよ!」とかぶせてあげています。

遊びの時間には、こあら組のお友だちが突然腕をつかみ、最初は「やめて!」と言いそうな表情でとても驚いていました。しかし、こあら組さんの姿を見て、このお友だちは何をしたいのかをじっと観察した上で立ちたいということを読み取り、立ちやすいように一緒に立ち上がって支えてあげる姿がありました。

素敵ですよね。すぐに言葉にしたり思いのままに行動するのではなく、じっと見守り察する。なかなか5歳の子どもには難しいことだと思いますが、日頃のちょっとした思いやりや相手の気持ちを考える経験の積み重ねから、『見守る』『察する』ができていることに成長を感じ驚きと嬉しさがありました。私たち保育者も『見守る保育』を常に心がけています。子どもたち一人一人の行動や言動を見守り、考えていることや新たな発想を引き出せるように時間を掛けて、時には問いかけながら見守っています。腕をつかんだこあら組さんを見守る年長組さん。その様子を見ている先生。見守るからこそ見られる新たな発見がありますね。子どもたちにも日頃の接し方が様々な形で伝わっていることを実感するとともに、見守ることの大切さを改めて実感しました。

明日も、思いやりにあふれたみんなの笑顔に会えることを、楽しみに待っていますね♪(年長組チーム担任 福田)