寒さが一段と厳しくなりましたが、子どもたちは寒さに負けず思いきり園庭をかけまわり元気いっぱいに遊んでいます。

さて、先日今年度のコンポストの活動をスタートしました。

子どもたちにはまず“コンポスト”とは何かについて『くさる』という絵本を通して仕組みを伝えました。この絵本では、嫌なにおいがするのはつまり腐っているサインであること、家庭で出た生ごみを庭の土に埋めると微生物によってたい肥となること、について描かれています。

最初に『生ごみ』と聞いた子どもたちの反応は、「え~汚い!」「ハエが飛んでいるよ」「臭そうだね」などととても嫌な印象が強くありました。しかし、土の中にいる虫たちが生ごみを食べ、その虫が出したふんをまたさらに小さな虫が食べていくことを知ると、「へー最後は生ごみがごみではなくなるんだね!すごいね!!」と、生ごみに対する印象に少しずつ変化がありました。

さらに子どもたちに親しみをもっと持てるようにと、野菜をおいしくしたり育ちの助けになるたい肥のことを『魔法の土』と名付け、生ごみをどんどん分解していく虫のことを『微生物くん』として説明すると、楽しそうに興味を持つ姿が徐々に見られてきました。

子ども園では、給食室で毎日その日に出た給食の残飯をもらい、それをバッグ型コンポストに投入します。週に2回生ごみを投入した上で、分解を促すよう混ぜることは毎日行います。そこで曜日ごとにチームを分け、各チーム協力して魔法の土を作り上げていくという流れです。

すると、ある女の子が「先生!魔法の土はできたらどうするの?」いい質問ですね!みんなで一生懸命作った魔法の土は、プランターで育てている花の肥料や、子ども園の園庭にある畑の肥料として使用することを伝えると、とてもうれしそうでやる気満々の表情が見られました。

 

いよいよ、給食室へ生ごみをもらいに!

初めて給食室の残飯が入っているバケツを見た子どもたちは、「えーー!!今日食べたお給食入っている!」「こんなに捨てちゃうんだ!もったいないね!」「かわいそう!!」といった感想が。子どもたちはたくさんの残飯に驚くと共に、かわいそうだったらどうしたらいいかな?という問いかけに対して『残さず食べる』という言葉があがりました。

微生物はみんなと一緒で、甘いものや油分のあるものを好み分解が早くなることを伝えると、バケツの中の生ごみを入れながら、「デザートのゼリーだ!微生物くん好きかもね!」と話しながら親しみを持って楽しそうに行う姿が見られました。

今回のコンポストの活動を通して、『ごみを減らして環境のことを考えること』に加え、『残さず食べること』についても子どもたちに体感してほしいというねらいがあります。子どもたちの反応から、魔法の土を作る前の段階として、まずたくさんの残飯を見て残さず食べようという気持ちになってくれたように感じます。

今まで以上に給食のおかわりにもよくきて残さず食べ、苦手なものもいつもよりもう少し多く頑張って食べてみようとする姿が見られるようになりました。また、おかわり分もすべてなくなったときには、「今日はお給食室の生ごみ少ないかもしれないね!」「食べ物が喜んでいるよ!」と素敵な言葉もあがり、きちんと子どもたちの中に響いていることを感じとてもうれしくなりました。これからコンポストの活動を進める中で環境についても視野を広げていけると素敵ですね♪

(年長組チーム担任 福田)