水遊びや虫取りなど、夏ならではの遊びを思う存分楽しむ子どもたち。
現在、年長組では1学期最後の “年長イベント”に向けて準備の真っ最中です。
4月より子どもたちと過ごしている中で、気になっているのが『折り紙の使い方について』です。年長組に進級すると、折り紙が保管してある教材庫がお部屋の目の前にあるので、子どもたちは目を輝かせています。しかし、次から次へと新しい折り紙を出した結果、持ち主不明の完成した折り紙や作りかけの折り紙、まだ使っていない新しい折り紙がお部屋の床一面に散乱する日々が続きました。落ちていることに気づきながらも自分のものではないからとそのままにする子もいれば、拾っても自分のものでないからとゴミ箱に捨てる子もおり、「もったいない」と声をかけてもあまり改善は見られませんでした。
保育者として子どもたちのためにもどうにかせねばと試行錯誤し、先日、お部屋に落ちていた持ち主不明の折り紙を一日中箱一杯に集め、翌日、実際にどれだけ落ちていたのか子どもたちに見てもらうことにしました。具体的に可視化したことで「こんなに落ちていたんだ」「これだけあれば他にも何か作れたよね」と衝撃的でであったようで、その日を境に少しずつ意識が変わり始めました。落ちていたものはそのままゴミ箱に捨てるのではなく「これだれの?」周りのお友だち聞いてまわるようになったり、一つひとつ完成させてから新しい折り紙を取り出すなど、折り紙の消費もぐっと減りました。
さらに年長組のMちゃんが、「この折り紙、もう一度広げれば使えそうだね…」と折り紙の再利用に取り組んでくれたのです。Mちゃんの気づきと行動に感動し、保育者も一緒になって手伝っていたところ「私もやる!」と4~5人の子どもたちも集まってきました。
こういった個々の気づきが自然と大きな輪になっていくことで、コミュニケーションのきっかけにもなりますね。
それからは作ったものを大切に自分のリュックにしまって持ち帰る子も増え、折り紙が散乱することもなくなりつつあります。
折り紙は素晴らしい教材ですので、子どもたちにもなるべく使う機会を増やしてあげたいと思っていますが、”無限“ではありません。大人だけの考えで「ダメ」と否定するのではなく、無駄遣いをしたことでどうなるのか、どうすればよいのか、と小さなことでも丁寧に子どもたちと話し合っています。これからもいろいろな事象に関して子どもたちと共に考え、学び、成長していけるような環境でありたいです。
(年長組担任 西村優希)