子ども園にいるうさぎのミミちゃん。新しい環境に慣れず、泣いてしまうぱんだ組さんや年少組さんもミミちゃんに会うとピタッと涙が止まる程、子ども園中を癒やしてくれています。
ミミちゃんは年長組のお部屋で過ごしているので、年長組の子どもたちは進級前から「早くミミちゃんと遊びたい!」と楽しみにしている子がたくさんいました。しかし、うさぎはとても臆病な生き物です。進級直後は、馴染みのない顔ぶれにミミちゃんも緊張気味でケージの隅に身を寄せ、ケージの扉を開けても子どもたちの側には行こうとせず固まっていました。イメージと違ったミミちゃんの姿に子どもたちも首をかしげ、「どうしたらミミちゃんと仲良くなれるのだろう…?」と悩んでおりました。そんな子どもたちに「みんなももし、初めて会う人に大きな声で話しかけられたり、突然身体を触られたり、走って追いかけられたらどう思うかな?ミミちゃんの気持ちになって考えてごらん。」とヒントを伝えました。それを聞いた子どもたちは、ぬいぐるみのように強く抱きしめたり、頬ずりしたい気持ちを我慢し、そっと見守ることに決めたようです。さらに、餌や水の補充、ケージ内やトイレの片付け等、はじめは先生一人でやっていましたが子どもたちの方から「先生、僕も、私もやりたいな!」と声があがりました。そうですよね、生き物ですから「よしよし」と頭を撫でて触れ合うだけがお世話をしていることにはなりませんよね。
「ミミちゃーん!」と歓声のようにあがっていた声も今では「ミミちゃんおはよう♪」と、人間よりも聴力が優れているミミちゃんに合わせた声のトーンで話しかけるようにもなりました。そんな優しい子どもたちの思いが届いたのか、ミミちゃんのほうから子どもたちに近寄ってくるようになりました。
写真を見ると、ミミちゃん、頭を下げていますよね?これは安心をしている証拠です。
ミミちゃんとの日々の生活を通して、“相手の立場に立って考える”ということを学んでいるようです。年長組は子ども園の中では一番のお兄さんお姉さんです。子ども園で生活していくにあたり、ぱんだ組さん、年少組さん、年中組さんなど自分より年が小さい人のことを思いやって「自分は何ができるかな?」と子どもたちの方から意見があがるような場面をこれからもを楽しみにしています。
(年長組担任 西村優希)