昨日の雪の降るような寒さから一転、春の訪れを感じるようなあたたかさに
冬と春が変わるという節分にぴったりの気候となりました。
最高学年、年長組ともなると物の通りもわかっていて新年が明けたころから
節分の心配をし始め、1月も終わりに近づくと「鬼来るかな?」としきりに聞くようになりました。
やはりいくつになっても怖いものは怖いですね。
そんな子どもたちに〝豆まきとは何か〟〝節分とは何か〟絵本を交えながら丁寧にお話をしました。
節分とは決して〝鬼がくる〟行事でなくて、自分のおなかの中にいる鬼を追い出す行事であり
怖いからと逃げてしまうと、他の子のおなかからでた鬼が自分のおなかの中に入ってしまうかもしれない、
どんなに怖くても1年に1回、勇気をだして自分の中の鬼を追い出すことは大切だねとお話をしました。
しかし、丸腰では怖くて勇気がでないのでお面とマス作りを行いました。
お面では「自分のおなかの中にいる鬼ってなんだろう?」「いったいどんな色なんだろう?」と
1人1人が考えて色を塗り、自分でツノを切って作りました。
1本ツノの鬼、2本ツノ、3本ツノ。大きさも大小さまざまです。
はじめは絵本「おなかのなかにおにがいる」に向かって怖いけど
元気よく「鬼はーそと!福はーうち!」と豆まきを始めた年長組さん。本物の鬼が現れると大パニックです!
保育者の後ろに隠れる子、逃げ出す子、戦う子…最初はその様子は様々でしたが、どの子にも
「がんばれ!自分のなかのおに追い出すんだよ!」と声を掛け続けました。すると勇気を振り絞り、泣きながらも懸命に豆を投げ、声を張り上げ、年長組全員が本物の鬼・そして自分の中にいる鬼と戦うことができました。
1年前は逃げることしかできなかったみんなが、怖くても、先生の手をつないだままでも
1人1人が自分なりに懸命に鬼に立ち向かう姿はお兄さん、お姉さんでしたよ。
終わったあと、子どもたちには「泣いていいよ、よく頑張ったね」と伝え、1人1人とハグをしたくさん、たくさんほめました。年長組はあと1か月と少しで小学生、まだまだ小さいけれど大人になります。こんな風に泣きじゃくり甘えられる経験は、きっと減ってしまいますからね。
そして最後には園長先生が豆まきをした理由について丁寧にかみ砕いてお話をしてくださいました。
1つ目は、節分は冬と春の節が変わる日で節分が終わると春がくるというお話
2つ目は、おなかの中の鬼を追い出すために豆まきをするというお話
そして3つ目は、世の中にはどうにもできないこと・自分の思い通りにいかないことがあるというお話
地震やこないだの大雨。
いつもはお父様、お母様、そして先生 周りの大人たちに守られているからこそ地震や大雨の時も今回のような怖い思いはしなかったけれど、それは周りの大人が守ってくれているからです。でも、そんな大人が「晴れになれ」と言っても天気は思い通りに、晴れてはくれません。大人がどう頑張ってもどうしようもないこと、自分の思い通りにいかないことはたくさんあります。
だからこそ、自然には畏敬の念をもち、普段から周りの大人のお話をきくことが大切だと子どもたちにわかりやすく伝えてくださいました。大人の話をよく聞くことが怪我を防ぎ、そして自分の命を守ることにつながるのだと。
そして最後には「ぼくが、わたしがいく」と立候補してくれた5人が園長先生と職員室に行き、鬼を無事退治してくれました。勇敢な5人の年長さんありがとうございました。
もちろんぱんだ・こあらぐみさん、年中さん、どの学年もみんな頑張りました。よい春が迎えられそうですね。(ゆり組担任 三井)