-4- 第361号 NitobeBunka Times 平成20年6月16日

中学校・高等学校

凜格りんかくある女性に

東京文化中学高等学校 校長 長本裕子

 学校法人「新渡戸文化学園」のスタートにあたって思うことは、先生が随所で述べられている「人格」という言葉である。『人生読本』にも「人物の価値を測る基準は、人格を重視すべきである」という一節がある。
 中高では、堀越直子前校長在任の2005年度から「心の教育本」として、『夢に向かって』を作成し、「新渡戸イズム」を心の拠り所とする教育を行ってきた。これは、新渡戸先生の著書『武士道』や『世渡りの道』などから引用した文章に教員が現代としての解釈を加えた冊子である。今年度はこれまでの三年間のものを編集しなおし、定本『夢に向かって』中学版と高校版とした。それぞれの巻末には、広報部企画で卒業生にご協力いただいた「えんじ色のヒロインたち」の中から、ご連絡がついた方の文章を再掲させていただいた。この冊子を用い、朝礼時に担任の先生と生徒たちが一緒に心の在り方、生き方を考える。
 一方で、江戸時代の町人たちによって考え出された「江戸しぐさ」からヒントをいただき、起床から通学、学校生活の中で心がけたいマナーを『自分を美学(みがく)』としてまとめた冊子を活用して、粋なしぐさができる女性を目指す。
 また、これからの世の中に必ず求められるのが「リサーチ&プレゼンテーション能力」であろう。本校の「新渡戸国際教育プログラム」は、例えば、国語科の意見発表、英語科のレシテーションコンテストやPRE Competition、数学科のオープンエンドレポートなど、生徒が日々の学習や教科行事、学校行事に取り組むことで、その能力を自ずと身につけられる。

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▲生徒との語らい

 進路開発計画においても「成長カルテ」を活用し、「One to One」対応で、「ドラゴンクラス(中学はジュニアドラゴン)」を含め、完全面倒見主義で第一希望を実現するサポートシステムが整っている。こうして、2007年、四年制大学進学率は85.3%に達した。
 「明るい挨拶」「身だしなみや身の回りを整える」などの生活の基本を徹底し、『武士道』の「上に立つ者、力のある者が、弱者を助けるのがあたりまえ」という精神、「江戸しぐさ」の「互譲の精神、共生共存の智恵」を身につけて、「凜として、気品のある、洗練された女性」いわば「凛格ある女性」への育成をサポートしていきたい。


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